■認知症ケアの秘訣:『早期発見が有効』リアルなチェックポイント
認知症(要介護2)母の独居に、「通販で購入した商品の代金を支払え」という弁護士からの督促状が、続々と届き始めました…
■通販の落とし穴:家族が知るべき3つの注意ポイント
【①包装資材の異常な蓄積】
通販の包装資材やレジ袋等が、普段使わない部屋や押し入れ等、わかりにくい場所に異常にたまっている場合、その人の買い物行動に問題がおきているかもしれません。
本人が「自らの行動や買い物に責任を感じていない場合」もあると思いますが、私の母の場合は「購入で失敗したことを他者に知られたくない」という心理的なプレッシャーで苦しんでいるように見えました。
認知症の特に初期では、自身の認知機能の低下・行動の変化を理解していて「かつての自分とのギャップを感じ、周囲から理解を得られなくなること」を恐れる気持ちがあるのかも…
【②冷蔵庫や浴室、ドレッサー周りに重ね買いの品が増える】
認知症が進むと、自己認識や時間の把握が難しくなることがあります。
このため過去の行動や購入に対しても把握が難しく、一貫性を欠いてしまうようです。
何度も同じ商品を購入したり、必要のないものを大量に買ったり…。
これは過去の経験や行動が新しい行動に影響を与えにくくなる結果です。
【③大量で、びっしり書き込まれたメモ用紙の残留】
もし大量の手書きメモを見つけた場合は、認知症に関連する行動パターンの変化として留意する必要があります。
認知症の本人が忘れやすくなったり、物事の順序を追いにくくなったりする中で、自衛のための補助行為である可能性が高いです。
書き込む行動を繰り返すことで、自身が生活する上での不安や混乱を軽減しようとしている…と考えると、それが問題行動に繋がっていない場合、周りが止める必要はないと思います。
「文字を書く、メモを読み返す」という行動自体は、認知機能の衰えを防止するために有効です。
でも内容が「商品名やフリーダイヤルなどの異常な蓄積」であった場合、通販依存を疑う必要があるでしょう。
「テレビショッピングの華やかな商品紹介」や「ダイレクトメール・折り込み広告の魅力的なキャッチフレーズ」は買い物依存の引き金になる可能性があります。
判断の衰えと孤独を感じる認知症患者にとっては特に、一瞬の楽しさや興奮をもたらす刺激になるでしょう…。
またフリーダイアルの先にいる「企業の受注担当者との言葉のやりとり」自体が、『貴重な対話の瞬間』と映ることもあるのではないでしょうか。
■認知症ケアの秘訣4:『自己有利の法則』の重要性と学び
「『自分にとって不利なことは絶対認めない』というものです。
言い返しがあまりにも素早くしかも難しいことわざなどを交えてするので、周囲の者は本人が認知症になっているとはとても思えません。
しかし、言い訳の内容には明らかな誤りや矛盾が含まれているため、「都合のよいことばかり言う自分勝手な人」
「嘘つきだ」など、本人を低い人格の持ち主と考えて、そのことで介護意欲を低下させてしまう家族も少なくないようです。
こうした認知症の人の言動には、自己保存のメカニズムが本能的に働いているにちがいありません。
つまり、人はだれでも、自分の能力低下や生存に必要なものの喪失を認めようとしない傾向をもっており、認知症の人も同様なのです。
~杉山孝博氏(川崎幸クリニック院長)の「認知症をよく理解するための9大法則・1原則」https://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2228 より抜粋~(第3法則が「自己有利の法則」)
母の場合は「お父さんが特養に入ったから節約のためにも、私も少しくらい一人暮らしを頑張らないと」という言葉を、よく繰り返していました。
そんな思いがあるのに「不要な買い物で浪費してしまう」自分自身に対して、自尊心が低下していたのかも…と今では思います。
また「弁護士から督促された」という事実に、「自分が築いてきた社会的な信用が一気に崩されるかのような恐怖」を抱いていたのではないか…とも。
こちらは責めているつもりが全くなくても、「買い物で失敗をしてしまった」のを見つからないよう、私が訪問する直前に、荷物の山を別の部屋に隠したり、「他の人には内緒にしてちょうだい」と頼んできたり…。
身に覚えのない「通販の宅配便」「代引きの郵便物」が届くたびに、母は混乱し追い詰められていくようでした。
買い物依存に陥っており、自分が通販を注文した当初の興奮から覚めて後悔し、自分の記憶がないことに脅え、このまま認知症が進んでいくことへの恐怖と相まって、一層のストレスを感じてしまっていたのかと…。
私は実家を度々訪れ、荷物の山を選り分け、郵便物を処理し、支払いや解約手続きを淡々と進めていましたが、母の溜まったストレスが爆発して八つ当たりされることも増えていきました。
「さっさと持って行ってちょうだいよ!そんなもの!」と突然叫びだしたり、「私には記憶がないんだから!ほんっとに迷惑なのよ!そんなものが続々と届くなんていうことは!!」と、傍からは逆ギレとしか思われないような言葉が延々と続くことも…
そのような暴言モードに母が入るたび、私は力なくため息を付き、一刻も早く実家を立ち去ろう…と作業を急いだものです。
同居している訳ではないため、巻き込まれ過ぎずに済んだように思えますが、あの頃は実家を訪れるのが辛く、母の機嫌が悪そうな気配を感じるとうんざりしたのを覚えています…
------------「通販商品」解決法については、次回へ-----------------------
■「自分の能力低下・喪失を認めようとしない傾向」とは
今現在、母はグループホームに入居が始め、滞在後ひと月たちました。
幸い施設のことを気に入ってくれて、一緒に行動するお友達もでき、娘としても幾らか落ち着いた日々を過ごすことができるように。
「能力低下を認めない」について、改めて自分に置き換えて考える…。
私もアラフィフ…家事でも文章作成でも(笑…)無理が効かなくなっているのを感じる部分は、正直あります…
それでも「能力低下」にばかり意識を向けると、気持ちは沈みますし、
少しでも「能力維持…あわよくば向上だってさせていきたい…」と思ってしまう、『生存本能に有利に働きかけたい』思惑だってあります…
「年のせい」とか「父の…母の世話をしていなければ」「子どもが…」…と考えたくなってしまう時もありますが、
そういったマイナスに働きかねない要素があるからこそ、体験した経験値は確実に積み重なっている訳で、
「自分なり年齢相応の成長に繋がっている」…と楽観的に考えるようにしています。
「他者のせい」にしたり「能力低下の言い訳」を考えても、気持ち良いものではないですし、
何よりも自分自身を大事にしてあげて、これからの可能性を認めてあげる気持ちが大事なように思います。
あまりに「お花畑なものの言い方」と感じる方もいるかとは思いますが…
「自分が少しでも楽に思えるように』「少しでも気分よく、少しでも向上する余地を残してあげられるように」…
もちろん人の世話になってばかり…という時期が来たら「老い」を認めざるを得ない…
認める部分は潔く認めて…それでも、伸ばせる部分に少しでも目を向けて…
どうなるかは…最後の瞬間まで分からないですけど(;・∀・)…
-------ゆるゆるやっていきましょう…-----
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